福祉介護において書道はとても良い活動。利用者様による個性豊かな作品が展示され、スタッフの目も楽しませてくれます。
書道は特に3つの面で優れたアプローチと言われているようです。
運動神経からのアプローチ
第二の脳と呼ばれる「指先」には多数の末梢神経が集積しており、毛筆を使用した運動は身体の様々な部位の運動が複雑に組み合わされ、数センチ、数ミリ単位での精度が要求されるため、脳に大きな刺激を与えます。
言語神経からのアプローチ
題材となる字句を扱うということで、言葉の意味や背景、本人の体験や記憶が想起され、脳の中に思惟活動が展開されます。
シルバーアイデンティティーの確立からのアプローチ
書字活動において、自分が納得できる文字を書きたいという思いや他人から評価されたいという潜在または顕在の意識そのものが自我の表れであり、自己認識、アイデンティティーに繋がっています。作品にはその人の生き様や体験、価値観が凝縮しており、その人の人格そのものとも言えます。自分自身の有り様を捉え直す場、精神の高揚と緊張感を取り戻すひとときとなります。
こうした利点は高齢者に限らず、誰もが関係している優れたアプローチであることも。そんな一人一人のアイデンティティーを確立し続け、脳に刺激を与える活動を継続していきます。
参考:「
今なぜリハビリ書道 3つのアプローチ(頑固親爺・ひろしま筆坊主の練筆錬心塾)」